パーソルグループ(Power of Women in Kansai!)様


日本を代表する総合人材サービス企業であるパーソルグループ。そんなパーソルグループのグループ会社で働く女性社員の方々が立ち上げたPower of Women in Kansai!(以後PWK)様より「社内メンター×メンティプログラム」の導入&運営の依頼を頂き、実施致しました。


(1)「社内メンター×メンティプログラム」を導入しようと思ったきっかけや経緯

パーソルグループには有志でDI&E推進を行っている取り組みがいくつもあります。
グループ各社でそれぞれに異なる企業風土を持ちつつも、女性のキャリア形成における悩みは共通することも多く、グループを超えた社員同士の繋がり強化や情報交換のために2016年新グループブランド導入時に関西エリアの女性社員2名が立ち上げたのがPWKです。現在は10名弱のメンバーによって各社の垣根を越えて様々な立場の人と交流しながら自身のキャリアと向き合うワークショップを現場主導で企画・運営しています。回を重ねる毎に各社での知名度も上がり、参加者にも好評な取り組みですが、単発のイベントで終わってしまう傾向もあり、参加者同士がもっと中長期的な関わりを築いたり、ワークショップで得た気付きをより実務に繋げたりできるような取り組みに発展させたいという想いも抱えてきました。そんな時、メンバーの一人からメンターメンティプログラムの提案がありました。参加者にとって個別性の高いアプローチになるため、自身のキャリア形成に対し具体的なネクストアクションの実行やその成果実感に繋がりそうなこと、中長期的な取り組みを通してより深く、継続的なグループ間交流を生み出せる可能性があることなど、PWKが掲げる「ワタシ達の未来はワタシ達がつくる」へ向けて一歩踏み込んだ企画となる可能性を感じ、上層部に提案の上、導入することにしました。


(2)弊社に依頼して頂いた理由

社内で内製化して進めるという案もありましたが、単発の研修と異なり、社員個人のキャリアに向き合う個別性かつ機密性の高いものになるため、知見のないメンバーで進めるには難易度の高さを感じました。そこで数多くのメンタリングに伴走してきたアーチ・キャリア様(今回は法人窓口となるICB社と共同)にプログラム全体の監修をお願いすることにしました。

プログラムの全体構想や運営における疑問点など、多数の事例を元に具体的なアドバイスを頂けたため、運営事務局としては非常に安心感がありました。参加者の状況に応じてフォロー面談の実施や事務局からのコミュニケーションプランなどプログラム成功のために積極的にご提案いただき、ブラックボックス化しやすい個別メンタリングの質を保ち心理的安全性の高いプログラムを実現できました。初めての実施にも関わらず参加者から非常に高い満足度を得ることができたので、改めて依頼してよかったと感じています。


(3)プログラム内容(誰を対象にどんな内容を行ったか)

今年度はプレスタートとして、グループ会社の中でこれまでPWKの活動に賛同・協力いただき社員の参加実績が多いパーソルテンプスタッフ株式会社、パーソルキャリア株式会社、パーソルマーケティング株式会社の女性社員を対象とし、メンティとしてプログラムに関わりたい方を希望制で募りました。大規模に告知をしていないにも関わらず、当初の予想をはるかに超える応募が集まり、キャリアに悩む女性社員が多いこと、メンターメンティのニーズが強いことを実感しました。メンターはアーチ・キャリア様と相談の上、お願いしたい方へ性別問わず事務局から直接お声かけし、ボランティアでプロジェクトにご協力いただきました。メンティ希望者が多かったことから、追加でメンター候補者へお声かけの上12ペアに増枠してスタートし、約6か月間の間、個別のメンタリング実施、集合研修に加え、フォロー面談を挟みながらプログラムを運営しました。


(4)実際に利用してみての感想や参加者の方から届いた声があればお聞かせください。

まず「人はこんなに変わるんだ!」というのが事務局の率直な感想でした。メンタリングを終えた最終報告会ではキックオフ時からは見違えるように晴れやかな表情が多数見られ、当初モヤモヤを抱えていたメンティが「私はこうしていきたい」と自分の言葉で宣言している姿や、涙を流しながらペアの方へ感謝を伝える場面もあり、感動的なプログラムになりました。事後アンケートで、「来期は自分がメンターに」と手を挙げたメンティも複数いて、キャリア支援の輪が広がっていく実感ができたことは大きな成果でした。

とくに印象的だったのは、「これまでにも同じようなアドバイスはもらったことがあるはずなのに、メンターからの言葉だと素直に受け止めて自身の一歩に繋げることができた」と話すメンティが多かったことです。業務や組織上の上下の関係ではなく、利害関係のない「ナナメ」の関係の重要性を感じました。メンターからも、このプログラムに参加して自身のマネジメントやメンバーとの向き合い方への気づきや学びが得られたという声が多数あがり、単なる業務支援ではなく、真剣にメンティ自身と向き合って並走いただけたからこそ参加者から高い満足感を得ることができたのだと感じ、グループ全体で「人と向き合う風土」があるのだと改めて実感することができました。


(5)今後について

継続性という観点ではまだ本プログラムの影響を検証し切れていないのが正直なところですが、参加者それぞれが中長期的なキャリアを描き、実現のための具体的なアクションを起こせたことや参加前より業務へ前向きな姿勢を持てたことは一つの成果と言えます。プログラムに関わった役員や参加者からは来期以降の継続実施を求める声が多数あがっており「誰もが誰かのメンター、誰もが誰かのメンティ」という考え方や「斜めの関係を生かして違う視点からキャリアをとらえる場」の効果をもっと広げていけるといいなと思ます。

そして2022年で7期目となるPWKは新たなフェーズを迎えています。これまで大事にしてきた「現場感(活動エリア含む)」や「女性」という枠を超えて、全国のパーソルグループの社員ひとりひとりが「活躍」し 「はたらいて、笑おう。」を体現している世界感を目指す為に、今一度PWKの在り方やミッションを再定義し、更なる影響力を発揮しながら、社員自らが自分たちで未来を作っていく、そんなきっかけとなる活動を続けていきたいと思っています。