誰もが自分らしいキャリアを築ける環境を目指して:「社外メンタープログラム」体験談(前編)

株式会社ホロニック様では、性別を問わず誰もが活躍できる職場づくりに取り組んできましたが、女性管理職の割合が全体の3割という現状に課題を感じていました。その背景には、女性社員がキャリアを進める中で直面するライフステージの変化が大きく影響しています。こうした課題を解決するために「社外メンタープログラム」を導入いただきました。社外のメンターだからこそ、社内では話しにくい悩みや本音を率直に相談できる環境が整い、新たな視点や気づきを得られると期待されてのことです。

本記事では、プログラム導入の背景や、プログラムに参加した社員たちによる体験談を通じて、メンタリングがもたらした気づきや成長について伺いました。

 

【対談】

◾️取締役 経営管理本部本部長 薮内様

◾️事務局:阿部様

◾️参加者:宮本様、寺尾様、金田様


「社外メンタープログラム」導入の背景

 

—プログラム導入の背景を教えてください。

 

薮内さん: 当社では、性別に関係なく誰もが同じように活躍できる環境を目指してきました。その結果、女性管理職も徐々に増え、現在は管理職全体の約3割を占めるまでになっています。しかし、社員全体に占める女性の割合が約5割であることを考えると、管理職における女性の割合が減少している現状には大きな課題を感じていました。「なぜ、管理職になると女性の割合が減るのだろうか」という疑問は、以前から常に頭にありましたね。

その背景にある課題として、女性社員がキャリアを進める過程で、いくつものライフステージに直面することが挙げられると思います。たとえば、仕事と家庭、キャリアと育児といった形で選択を迫られる場面が何度も訪れます。そのたびに、キャリアを諦めざるを得なくなってしまうケースが多いのではないでしょうか。現在の管理職に就いている女性たちは、そうした選択の中でキャリアを優先することを選び、その結果として今のポジションにいる方々が多いと感じています。しかし、それだけではなく、別の選択肢を選びながらもキャリアを諦めずに続ける方法があるはずだと考えていました

 

—社外メンタープログラムを導入することになったきっかけを教えてください。

 

薮内さん: 社内のサポート体制を整えることも大事ですが、どうしても社内の取り組みだけでは解決しにくい部分があると感じていたからです。例えば、社内のメンター制度だと、相手との距離が近すぎることで「この人だからできるんですよね」といった感想を持たれたり、素直に話せなかったりするケースもあります。だからこそ、一定の距離感を保ちながら客観的に寄り添ってくれる外部メンターの存在が有効だと判断しました。また、社内では見えない部分の課題を外部の視点から知ることができれば、新たな解決策のヒントが得られるのではと考えました。

そこで今回、アーチキャリアさんが提供する「社外メンタープログラム」を導入することにしました。外部のメンターであれば、参加者がより心を開き、自分の悩みや思いを率直に話せるのではないかと期待したのです。

 

—今回、どのような視点で参加者を選ばれたのでしょうか?

 

薮内さん:参加者は、特にキャリアの転換期やライフステージの変化に直面している方を推薦しました。たとえば、育児休業から復帰したばかりの方、管理職に就いて間もない方、新たな責任あるポジションを任された方など、それぞれ異なるタイミングで悩みや課題を抱えているのではないかと考えたからです。彼女たちは、それぞれのステージで新たな挑戦をして

いる最中です。このプログラムを通じて、自分のキャリアを見つめ直し、新しい方向性を見つけるきっかけになればと思いました。

 

—プログラムに対する参加者の最初の反応はいかがでしたか?

 

阿部さん:皆さん、素直に「やってみます」とおっしゃってくれました。ただ、初めての試みだったこともあり、「社外の人に本音を話せるのだろうか」という不安を抱いている様子も見受けられました。でも、実際にメンタリング

が始まると、そうした不安はすぐに解消され、みなさん積極的かつ前向きに取り組む姿勢が見られ、安心しました。

 


プログラム参加者の体験談

 

—プログラムを受ける前は、どのようなお気持ちでしたか?

 

寺尾さん:私がメンタリングに参加したのは、ちょうど役職をいただいてから1年ほど経ったタイミングでした。新しいポジションを任せてもらえたことは嬉しかったのですが、一方で、自分に本当にこのポジションが向いているのか自信がなく、自分自身を否定してしまう時期でもありました

また、以前は同僚だった人たちと距離ができてしまい、「自分がこのような関係性をつくってしまっているのではないか」「自分の立ち回り方が良くないのではないか」と悩んでいました。前任者と自分を比べてしまうこともあり、「私がこの役職を担うことで本当に会社のためになっているのだろうか」と考えることが多かったんです。

 

—メンタリングではどのような経験をされましたか?

 

寺尾さん:初回のセッションで、そうした不安をメンターさんに率直にお話ししました。
その中でメンターさんが、「リーダーにもいろんな種類がある、あなたのリーダータイプはどんなものだろう」と一緒に紐解いてくださって。私は、「リーダーとは強い力で引っ張っていかないといけない」と思い込んでいたんです。だけど、メンターさんから「後ろから支えるタイプもある。そんなリーダーでもいいんじゃないかな」と言ってもらえて、とても心が軽くなりました。実際にそれを意識して行動すると、チームの雰囲気や関係性が少しずつ変わっていくのを実感しましたね

 

—初回から大きな変化があったのですね。

 

寺尾さん:はい。初回のセッションだけでもとても満足できる内容でした。その後のセッションで、この仕事を続けていくのかという話にも発展しましたが、自分の気持ちを深掘りすることで「やっぱり今やっている結婚式の仕事が一番好きだし、これ以外の仕事は考えられない」ということに気づけたんです。それもメンターさんと話す中で、改めて自分の経験や気持ちと向き合うことができたおかげだと思います。今では、仕事に対してとても前向きな気持ちで取り組めています。

 

—金田さんはいかがですか?

 

金田さん: 私がプログラムに参加したのは、育休から復帰して半年ぐらい経った頃でした。育休に入る前は、会社が大好きで、仕事に没頭し、全力で働いていたんです。でも、復帰して時短勤務を始めると、以前と働き方や仕事内容に大きなギャップがあり、「このまま働き続けてもいいのかな」と悩み、モヤモヤすることが増えていました

初回のセッションでは、そうしたモヤモヤを一緒に整理していただきました。お話をしていく中で、私は「会社に迷惑をかけているのではないか」と感じ、自分の存在意義を見失っていたことに気づいたんです。

その時、メンターさんが「働く時間の長さは関係ない。それよりも、会社や周りの人たちにどのように向き合っているかが一番大切」とおっしゃってくださった、この言葉がとても心に響いて。「このままの自分のままでいいんだ」と思えるようになり、気持ちがとても軽くなりました

また、その後のセッションでは、自分の「強み」を一緒に探す時間になりました。活用できるツールもご紹介頂きながら、自分自身が持つ強みを見つける方法を教えていただき、「ありのままの自分が持つ強みがあるんだ」と知ることができました。

 

—メンタリングを通じて、どのような変化がありましたか?

 

金田さん:メンタリングを通じて、自分の気持ちや状況とじっくり向き合うことができました。それまでは「今の自分でいいのかな」と、ついマイナス思考になりがちでしたが、自分の強みを伸ばしていけばいいんだと気づき、「このままの自分でいいんだ」という前向きな考え方が持てるようになりました。自分ができることは率先して行い、できないことは他のメンバーに託していけばいいと思えるようになったんです。また、仕事だけでなく、子育てに関しても「みんな経験していることだから大丈夫」という言葉に励まされ、気持ちが軽くなりました。

 


前編ではプログラム導入の背景と、参加者の体験を話していただきました。
後編では、引き続き参加者の体験とプログラムの印象、今後の展望を伺います。

 

(取材日/2025年8月27日)
執筆:田中亜由美